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医療事業者等個人情報ガイドライン、情報開示と証拠保全の選択

医療情報の公開・開示を求める市民の会
というものがあります。
主催者の勝村久司氏の精力的な活動により、医療関連情報の開示分野で顕著な実績を積み重ねている市民団体です。
ニュースレターで厚生労働省との交渉の様子を毎回レポートされております。

今回目にとまったのは、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイドライン」改定についてです。

 最近では、病院側の開示意識の高まりに伴い、医療事故の事前検討段階で、必ずしも証拠保全を必須としない対応も検討するようになりつつあります。
 しかし、依然として、医療機関ごとに情報開示の意識には大きな格差があり、未だ安心して医療情報の開示請求ができない状況にあります。
 開示拒否にまでは至らないものの、開示請求の目的や理由を聞くまで開示しないという開示保留が不適切だという上記市民団体の指摘は細かいながらも、実務的には重要なことです。

 私は常々、証拠保全による申請側・病院側双方の様々な負担を考えると、いっそのこと、病院ごとに即時完全開示宣言を出してもらって、その宣言が出ている病院については、証拠保全ではなく、証拠保全に準じたスピードでの任意の証拠開示が実現できないかと思っていますが、なかなかそこまでいくのは、現状では難しいようです。しかし、どうせ不信感をもたれて証拠保全を申し立てられてあたふたするくらいならば、はじめから開示の姿勢をはっきりさせておくほうが病院側にもメリットがあるのではないかと思うのです。


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