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  • 謹賀新年

    あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
    昨年は,アスベスト問題で有志弁護士や医師,被害者などのネットワークのなかで勉強させてもらいました。
    破産法,執行法,不動産登記法,民法など,業務に必須の法律がいろいろと変わって,あたらしく基礎から勉強し直した年でもありました。
    環境問題に関連して,韓国ソウル・中国上海でそれぞれシンポジウムに出席し,環境法学者や環境運動市民団体の方々から刺激を受けました。
    また,なにより独立して最初の一年ということで,不安と緊張の中で仕事をしてきました。毎月の売上の増減に一喜一憂しながら,やってきましたが,おかげさまで,かろうじて経理上は黒字で押さえることができそうです。
    世間では,昨年は不祥事の目立つ年でした。JR西日本脱線事故,耐震構造計算書偽装問題を筆頭に,石原産業のフェロシルト問題,西村弁護士による非弁行為問題など,私の身近な業務領域で起こった出来事だけに強く印象に残りました。
     今年は,景気回復の期待感から始まりましたが,かつてのバブルが再来しないように,皆が自制しつつ,我々の社会の持続的発展と,日本国家の財政健全化をはかっていくような方向で進んでいけたらと考えています。政界のリーダーの皆さんには,大事な時期ですから,道を誤らないようにお願いしたいと思います。
     私個人の今年のテーマはここ数年の懸案であった語学(英語,韓国語)をさらに研鑽することと,事務所の安定経営です。来年には第一期の法科大学院出身の弁護士の卵が産まれ,やがて弁護士が毎年3000人ずつ増えていくという時代がやってきます。そのようななかで,規模において自ずと限界のある個人事務所経営の弁護士として,どのような経営戦略をとるべきか,なかなか難しくなってきていますが,私としては,これからも公害環境問題,医療過誤問題,消費者問題,暴力対策問題の四本の柱を専門的に研鑽し,あわせて多重債務・自己破産,破産管財,成年後見,財産管理,相続,離婚など従来からの一般業務についても高い水準を保つよう努力したいと考えております。
     本年も皆様方が健康で心豊かな毎日を過ごされますよう心から祈念いたしております。

  • (弁護士に質問)あなたの専門はなにですか?

     医師であれば即答できるこの質問にも,自信を持って即答できる弁護士はほとんどいないだろう。本当に法領域の一部のみを専門にしている弁護士(特定分野の事件しか扱わないことを明示し,現にそれ以外の事件を受けていない弁護士)は非常に少ないように思える。
     弁護士経験五年目のときに、自分が直接主任として扱った事件をリストアップしてみたところ,非常におおまかではあるが,下記のような結果であった(多数とあるのは少なくとも10以上はあったが、正確にカウントしていないもの)。
    債権問題>
     売掛金 判決多数   貸金 判決多数   求償金 判決1
    賃金 判決1   派遣料 判決2  預金払戻 和解1
     株主権確認 判決1  預託金 和解1・判決2  特許料 1  証拠保全 1
    損害賠償問題>
     交通事故 紛争処理センター2  傷害事件 和解1・判決1  医療過誤 和解2・交渉1
    商法266の3 1 競業禁止違反 2  詐欺 1  日照・眺望 2  補償金 1
    不動産紛争>
     賃料請求 和解2・判決1  駐車場明渡 判決1  建物明渡 和解2・判決2 土地明渡 判決1
     共有物分割 判決1  借地権譲渡許可 和解1  
    賃料増額請求 調停1・判決1  賃料減額請求 調停2・判決2
    家事事件>
     遺産分割 交渉2・和解1・調停2・審判2  養育費請求 和解1  相続財産管理人選任申立 2
     相続財産管理 3  遺言検認 2
    債務・破産>
     債務整理 多数  申立(同時廃止) 多数  申立(管財) 2  管財人(法人) 2
    契約書作成>
     共同事業 2   賃貸借・売買 多数  墓地使用
    執行・保全>
     不動産仮差押 2  処分禁止仮処分 1  競業禁止仮処分 1  強制競売 2  不動産競売 3
     動産差押 2  債権差押 多数
    労働問題>
     解雇(使用者側) 交渉2  地位保全仮処分(使用者側) 1
    刑事事件>
     入管法違反 1  変造有価証券行使(中国人) 1  窃盗 2  覚せい剤 1  脅迫・暴行 2
     大麻取締法 1  詐欺告訴 2  業務上横領告訴 1
     傷害(少年) 1  恐喝未遂 1  強制わいせつ 1
     ごらんの通り、私の弁護士経験当初5年間には,特許・税務・行政の各事件はほとんど含まれていない。なお,上記は相談だけで終わった案件をカウントしていないので,特許・税務・行政の基礎的な知識が全くないというわけでもないが,実際に事件として受任して真剣勝負してこそ血肉となるので,それらの分野に関してはほぼ素人といっても差し支えなかろう。
     業務経験をリストアップして分かった経験5年目の私の客観的弁護士像は,「一般商事・民事・家事事件に携わり、刑事弁護もする。」という平凡なものだった。これからの弁護士は専門化しなきゃいかんというのは,よく言われていることであるが,少なくとも5年目まではさしたる専門分野もなく,強いて言えば「債権回収、債務問題、不動産売買・賃貸問題を比較的多数手がけており、労働問題は使用者側に立つ」というのが特徴であった(なお,労働問題は所属事務所の方針で,独立した現在は被用者側に立っている)。
     ちなみに,最近では、私は専門を尋ねる質問に対しては、もっともシンプルには「医療過誤と環境法」と答えることが多くて、もうすこし付け加えようとすると「消費者保護、民事介入暴力対策、高齢者障害者問題、財産管理」などと散漫な答えになってしまっている。しかも,これは「現に専門」というよりも,「そんなのが好きだからそういう案件をたくさん持ち込んでね」というアピールだったりする。
     もし専門を標榜して特定の事件しか扱わなくなったら,今の規模で事務所経営を成り立たせる自信はないし,かといって,全国から集客することも現実的でない。共同化しても商圏が限定されるのであれば経営的にペイできないことは同じである。
     というわけで,「医療過誤、環境問題、消費者保護、民事介入暴力対策、高齢者障害者問題、財産管理」のご相談をお待ちしております(笑)。

  • 高校生の進路相談(夏休み宿題?)

    知り合いから進路夏休み課題研究のためということで,尋ねられたので,答をまとめてみたが,おもしろそうなのでブログにも乗っけておくことにします。
    年齢35歳 性別男 職業弁護士
    ①現在の職業に就こうと決めたのはいつ?
     大卒後,司法試験に合格してから司法研修所で決めた
    ②理由はなに?
     高校生のころから漠然と法律家になるつもりではいたが,検察官,裁判官,学者などいろいろな選択肢のなかで,弁護士がいちばん自由に活動できる仕事だったから,一般市民の問題解決のために,法律家のなかではいちばんはじめに相談に乗れる職業だから
     最初なりたかった検察官・裁判官は公務員なので,仕事の時間や勤務地,仕事の内容などが自分で自由に決められないからやめた
    ③どんな資格をもっている?仕事に役立つ?
    普通自動車免許,大型自動二輪免許,行政書士
    アマチュア無線4級,英語検定2級,TOEFL207(CBT)
     自動車・バイクの免許は仕事で移動するときや交通事故の事件を扱うときに役立つ
     行政書士は行政書士のことがわかる
     無線では,電気や電波の知識があるので,そのような事件を扱うときに役立つ
     英語は海外の法律家と話すときに役立つ
    ④高校生のときはどんな職業につきたかった?
     検察官か裁判官
     理由 法律を適用して悪を糺す(ただす)ことができる。世の中のためになる。かっこよさそう。
    ⑤高校生の進路決定で大事なことは?
    自分が30歳,40歳,50歳,60歳になったときに,どんな自分で居たいかをよく考えること。そのなりたい自分を目標において,実現のための方法をよく考えること
    参考になりましたでしょうか(^^)/