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  • 当サイト閲覧のための推奨ブラウザほか

    いつも閲覧ありがとうございます。

    近く新しいサイトを設定する予定で、当サイトのブラウザシェアを調査しました。結果は次の通りでした。

    順位

    ブラウザ シェア
    1 Internet Explorer 39.38%
    2 Safari 28.09%
    3 Google Chrome 24.08%
    4 Firefox 7.85%
    5 Sleipnir 0.46%
    6 Opera 0.14%

    バージョンは表示していませんが、今なおIE5・IE6からのアクセスがあったりして、驚きでした。
    古いブラウザを使われていると、セキュリティに問題が生じる恐れがあり、HTML5、CSS3等の最新技術への対応も不十分になります。
    ついては、下記のリンクから、お気に入りのブラウザを探してバージョンアップされるようお勧めします。

    ★がついているのが、当サイトの推奨ブラウザです。
    (FireFoxはワードプレスの現テーマとの相性が悪いです。Sleipnirは単に好みの問題です)。

    ★Microsoft IE
    タッチに最適化

    ★Apple Safari
    ネットを楽しむための最も賢い方法

    ★Google Chrome
    より速く、安全にウェブを閲覧

    Mozilla Firefox
    ユーザのプライバシー、そしてオープンな Web をあなたに

    Fenrir Sleipnir
    プロツール並みに美しい文字の贅沢な先端的ウェブブラウザ

    ★Opera
    Opera ブラウザ 常に斬新なアイデアを追求

    また、閲覧画面の画素数ですが、多ければ多いほど表示範囲が広がり、閲覧性が向上し、利便性が増します。
    最近では、これまでのフルハイビジョン(1920x1080)を超えて、4KのPC用ディスプレイも出てきました。
    ただ、小さい画面で画素数を上げると、文字が細かくなりすぎて、老眼の進んだ中高年には堪えられず、結局は表示を拡大する羽目になるので、高画素は大画面(24インチ以上)での利用がお勧めです。

    現時点で価格が比較的安いものはこちらです。
    価格が高いディスプレイには、相応の良さがありますが、3Dゲーム・グラフィックデザイン・医療用画像等を扱わない一般事務用であれば、最安のものでもそれほど気にならないと思います。

  • 退職の意思表示について

     今回は、始めに、裁判になった実際の事例を示します。

     事例(最高裁判所第3小法廷昭和62年9月18日判決)
     Aさんは、同期入社のBさんと某政党の班会議を組織して、会社に秘密にして活動をしてきたところ、組織からの脱退を考えたBさんが失踪してしまいました。
     会社の人事課担当者が、Bさんの無断欠勤についての事情調査をしたところ、Bさんのお父さんが、失踪前日にAさんがBさんの自宅を訪問したことを話しました。会社は、Aさんに事実を確認しましたが、Aさんは訪問を否定しました。しかし、人事課担当者がBさんのお父さんにAさんの写真を見せたところ、間違いないというので、人事課担当者がBさんの部屋を調べたところ、某政党関係の資料が多数見つかりました。
     そこで、会社は、Aさんに再度の事情聴取をしたところ、AさんはBさん宅訪問の事実を認めて、隠していたことを謝りましたが、某政党との関係は秘匿し、Bさんの失踪原因や行方に心当たりはないと答えました。会社は、Aさんに「B君の失踪事件に関するお詫び」と題して「他に隠し事はありません。Bさんの失踪とは無関係であることを誓います。偽りがあった場合はいかなる処分も甘受します。詫び書きの内容に偽りがあったことがわかった場合は会社の処分を受ける前に、潔く自分から身を引きたい。」という内容の文書を作成させました。
     会社は、その文書を作成させた翌日、Aさんに某政党の資料を示し、Bさんの失踪との関係につき再度追及したところ、Aさんは政党の活動を秘密にしていたことを「偽り」にあたるとされても仕方がないと考えて、その日に人事部長にいったん退職届を提出しました。しかし、Aさんはその次の日、やはり退職はしたくないから、届けを取り消すと人事部長に申し入れました。人事部長はこれを拒絶しました。
     以上が事件の流れです。

     地方裁判所は、退職の意思表示が真意ではなかったので無効であると判断しましたが、高等裁判所は退職の意思としては真意であって有効であるけれども、退職届は人事部長のところまでで止まっており、会社としては退職の承諾まで決定していない段階だったと判断して、退職の撤回を認めました。

     さて、いかがでしょうか。人事部長が退職届を受け取ったら、その時点で会社としても退職を認めたと考えるほうが自然だとは思われませんか。
     
     最高裁判所ではその点が問題とされ、「人事部長に退職届受理の権原がないとか、退職届を受け取る際に単に預かるだけと示したような特別の事情がない限り、通常は人事部長受理の時点で退職が承諾されたと解される」と判断されました。
     このように、退職届の受理という単純な問題であっても、本人の意思を確認し、承諾の有無をはっきりさせておかないと、思わぬ紛争になり、しかも裁判所によって判断が違ってくるという困った問題になることがあるのです。

     いろいろな物事を法的に合意するためには、講学上、「勧誘」「申込」「承諾」の3つのステップがあると言われています。

     勧誘とは、申し込みしませんかと誘うことです。退職でいえば、「退職勧奨」「退職募集」などですね。

     申込とは、契約をしたいという自分の意思を相手に伝えて、相手の承諾を求めることです。退職で言えば、退職への応募とか退職届の提出ということになります。

     承諾とは、相手の意思を確かめて、こちらの希望する契約内容と合致していれば、合意成立を了解するということです。退職でいえば、退職届の受理とか、退職手続の開始ということになります。
     これらのうち、申し込み・承諾の内容が具体的にどうだったのかが明確になっていないと、「言った言わない・決めた決めてない」のやっかいな紛争となって現れてくることになります。

     何事も、きちんと相手の意思を確かめて、当方の意思を明示するということが法律の世界では重要になってきます。

  • 労働法:懲戒権の行使にあたっての判断思考

     最近の就労環境は人手不足が言われており、人材の流動性も進んでいます。
     他方、企業側は、そのような環境のなかでも、一旦雇用した従業員の雇止めをすることは、そう簡単にできることではありません。しかも、最近では、対人関係で問題を抱えている人や、精神疾患や器質性疾患を抱えていて会社に知らせていない人など、他の従業員との人間関係や職場環境への適応がうまくいかない人たちが増えているのではないかと思われます。。
     ある弁護士が、そのような従業員のことを「現代型問題社員」と名付けていますが、確かに、昔のように、社内で政治活動や選挙運動をするような人たちとは、対応のしかたが違ってくるように思います。
     ひとまず、今回は、使用者の懲戒権の行使について、古い裁判例を参考にして、ごく基本的な部分を解説します。

     使用者は、労働者に対して、法的に有効な範囲で懲戒権を行使出来ます。違法になると、民事的には損害賠償の義務、刑事的には強要、強迫、暴行等の責任を負うことがあります。
     従業員の政治活動が問題となった関西電力事件(昭和58年最高裁判決)では、「労働者は、労働契約を締結して雇用されることによって使用者に対して、労務提供義務を負うと共に、企業秩序を遵守すべき義務を負い・・・使用者は、制裁罰である懲戒を課することができる」と述べています。
     ただ、どんな懲戒処分でも自由にできるかというと、そうではなくて、上記最高裁判決は、「企業秩序は、通常労働者の職場内または職務遂行に関係のある行為を規制することにより維持しうるのであるが、職場外でされた職務遂行に関係のない労働者の行為であっても、企業の円滑な運営に支障を来す恐れがあるなど企業秩序に関係を有するものもあるのであるから、使用者は、企業秩序の維持確保のために、そのような行為をも規制の対象とし、これを理由として労働者に懲戒を課することも許される。」と述べて、「職場外でされた職務遂行に関係のない行為」に対して、相当性・関連性を審査する態度を示しています。
     関西電力事件では、従業員が会社の社宅に会社を誹謗中傷するビラをまいたという案件でしたが、それに対して、譴責処分を与えたことは適法だとされました。

     別の事件では、無断欠勤を理由に懲戒解雇し、その後、裁判の中で、履歴書の虚偽記載(57歳のところ45歳と年齢詐称)が明らかになったので、それを懲戒解雇理由として追加したという事案は、地裁では解雇有効と判断されましたが、高裁と最高裁で解雇無効と判断されました。

     その他、今日までの間に、大変多くの裁判例がありますが、法律家的発想では、「懲戒の対象となる行為の程度と、それを対象とする懲戒処分の内容とが、社会常識的にみて、均衡を保っているといえるかどうか」を判断しています。
     経歴詐称に関しては、もう一つ最高裁の著名判決があります。学生運動の活動家だった者が、大学中退を高卒と偽って入社し、無許可で社内にビラ配布をした件で懲戒解雇になったという例です。このケースでは、採用面接時点で刑事被告人として公判中だったことも隠していたようです。前科前歴の有無等、自己の不利益情報について、(道義的にはともかく)資格要件等でない限りは、法的に自己申告の義務まではありませんし、現代刑事裁判は、判決が確定するまでは「無罪」であるという前提で動いていますので、公判中であることはなおさら申告しなくても差し支えないといえるでしょう。
     結果的には、このケースでは解雇が有効とされていますが、もし刑事被告人になっていなくて、社内での目に余る政治活動もなく、大卒の学生運動活動家だったことを隠す学歴詐称だけで解雇して有効かと言われると、微妙なケースと思います。
     
     懲戒権の行使は、解雇の有効・無効につながる非常に重要な局面ですので、無益な裁判を避けるためにも、事前に慎重な検討をされることが必要と考えます。