Q 交通事故に遭ってしまいましたが,救急搬送された先の病院の措置が悪く,半身不随の後遺障害が残りました。だれに責任をとってもらったらよいですか。病院と事故の加害者の両方に責任を問えますか。
A 上記のような事例は,共同不法行為の一種として,それぞれどちらに対しても責任を追及できます。
この事案では,病院に対する証拠保全を申し立てて事情を検討し,病院に対して損害賠償の支払いをもとめ,病院側代理人と交渉の末,期待権侵害の慰謝料に相当する損害賠償を得て,和解し,交通事故の加害者については,別途示談しました。
<お見積>
被害額の積算をし,その金額に応じて事件をお引き受けするときに着手金を申し受けます(300万円請求時で,182,000円)。解決時は,回収した金額に対して報酬金を申し受けます(300万円受領時で,308,000円)。
Q 医療事故裁判の最近の取扱い例
A 未破裂脳動脈瘤に対する待機的コイル塞栓術を実施するにあたり、カテーテル操作を誤って血管を損傷した死亡事故事案で、証拠保全をしないで、予備調査から交渉・提訴に至り、匿名協力医師からの助言を得ながら訴訟を進めて、証人尋問前の勝訴的和解により4500万円での解決を図った例があります。一般論としては、証拠保全をしたり、医師の意見書を証拠提出したり、医師の証人尋問を経るなどしなければ、勝訴に至ることは難しいのですが、裁判所・相手方の理解が得られれば、このような形での早期解決(とはいえ死亡から5年かかりました)が可能なこともあります。
A 肝臓移植の時期に関する説明が遅すぎて準備が間に合わず、肝不全で60代女性が死亡した事案で、遺族の依頼を受けて提訴をし、被告医師の証人尋問、裁判所選任による鑑定を経て、説明義務違反による慰謝料相当額200万円での和解解決を図った例があります。死亡との因果関係が高度の蓋然性をもって立証できれば、死亡そのものの損害金の請求は可能ですが、事案の性質上、それが難しい場合でも、説明義務違反の慰謝料という形での解決が可能なことがあります。
これまでに相談を受けたことがある医療分野
産婦人科・小児科(胎児仮死,双胎妊娠)
内科(院内感染,肝炎,肝硬変,肝臓がん,胆管がん,肝臓移植,高齢者医療,介護事故,神経損傷)
消化器科(直腸がん,上部・下部消化管出血)
循環器科(心臓外科,拡張型心筋症,大動脈瘤,冠動脈疾患)
呼吸器科(間質性肺炎,石綿肺、誤嚥性肺炎)
眼科(白内障,虹彩捕獲,眼内異物,強膜炎)
泌尿器科(前立腺がん,前立腺肥大,膀胱がん)
整形外科(腰椎手術,半月板切除,整骨院での施術、院内転倒事故)
脳神経外科(交通事故頭部外傷,脳出血,脳梗塞,脳動脈瘤クリッピング・コイル塞栓術)
精神科(統合失調症,うつ病自殺,抗精神薬副作用)
麻酔科(麻酔薬)
皮膚科(ステロイド皮膚炎)
歯科(咬合不全,インプラント,矯正,審美措置,顎関節症)
動物医療(脳炎)